こんにちは、haradaです。
今回はポケモンのレートにおける偏差値について書こうと思います。
少し長くなりますが、統計学を利用した求め方についても書いたので、見ていただけたら嬉しいです。
執筆理由
筆者はUSUMのS15シングルで初めてレート2000を達成することができました。
ポケモンをやっている人からすればレート2000は憧れの領域であり、自分自身も達成できたときはかなり嬉しかったです。
しかし、ポケモン対戦をしていない人にそれがどれくらいのことなのかなかなかわかってもらえません。
筆者の身近にはレート対戦をしている人がいないので、レート対戦を知らない人にも「上位〇%,偏差値〇%」などと話せばうまく伝えられるのではないかと思い、偏差値を計算してこの記事を執筆することに至りました。
記事を読む前に
- 偏差値は全員分のレートを入力して求めることができます。今回はhttps://pokedb.tokyo/のデータから全員分のレートを入力して偏差値を求めました。データは手入力なので入力ミスによる誤差は多少あります。
- レート対戦は数戦しかやっていない人が多く存在するので、1400~1600の間に半分以上の人数を占めています。対戦にあまり真面目でない人が多い中で偏差値を求めるのはどうなのかという疑問もあるかもしれません。偏差値という言葉が一般的に使われている勉強の世界でも、真面目でない人が一定数いると思うので、レートで偏差値を出してもいいのかなと思いました。
レート帯の人口分布
レートごとにヒストグラムを作成すると次のようになります。
グラフを見てわかるように、レート1400~1600の人がかなり多いことがわかります。
最も多かった人数のレートは1484で、1敗だけして辞めてしまった人が多かったです。
次にレートの人口分布を表にしてみました。
レート | 人数 | 割合 |
---|---|---|
2100- | 51 | 0.000644 |
2000-2099 | 248 | 0.003131 |
1900-1999 | 421 | 0.005315 |
1800-1899 | 1104 | 0.013939 |
1700-1799 | 2418 | 0.030528 |
1600-1699 | 6364 | 0.080348 |
1500-1599 | 23645 | 0.298529 |
1400-1499 | 35423 | 0.447232 |
1300-1399 | 7305 | 0.092229 |
1200-1299 | 1621 | 0.020466 |
1100-1199 | 379 | 0.004785 |
1000-1099 | 109 | 0.001376 |
900-999 | 89 | 0.001124 |
800-899 | 18 | 0.000227 |
700-799 | 6 | 7.58E-05 |
-699 | 4 | 5.05E-05 |
合計 | 79205 | 1 |
S15シングルの人口は79,205人で、最高レートは2162で、最低レートは673でした。
レート1400台の人が半分近くを占め、かなり人数が多いことがわかります。
レート1700でも上位5.3%に位置しているので、このあたりでも意外と上の方にいることがわかります。
偏差値の求め方
ここでは数式を利用した偏差値の求め方について説明します。センター数学で扱うような内容ですが、数学的な話が苦手な人はここは飛ばしてください。Σなどの記号は使わずになるべく言葉で解説しようと思います。
平均・分散・標準偏差
偏差値は平均と標準偏差を求めることによって計算することができます。
平均はあまり説明が必要ないかもしれませんが、1つ1つのデータ(レート)の合計をデータ数(人数)で割った値です。今回は
(2162x1+2159x2+...+1500x554+...+673x1) / 79205 = 1499.361
という結果になりました。平均が1500ピッタリにならなかった理由は後で考察します。
次に標準偏差を求めます。標準偏差を求めるためには、分散を求める必要があります。
分散とは、「データがどれくらい散らばっているか」を示す値です。これが大きいほど、データの散らばりが大きいことになります。レート戦では平均付近にデータが多く密集しているので散らばりは比較的小さい方だと思います。
各データから平均値の値を引き、それを2乗した値の平均をとることで求められます。今回は
((2162-1499.361)^2x1+(2159-1499.361)^2x2+...+(1500-1499.361)^2x554+...+(673-1499.361)^2x1) / 79205 = 12,917.86
という結果になりました。
標準偏差は分散の平方根をとったものです。電卓などで √ というボタンを見ることがあると思いますが、それを押すことで求められます。面積が9の正方形の1辺の長さは3といった感じです。
12917.86の平方根をとると標準偏差は113.6568となりました。
偏差値の式
平均と標準偏差を求めたところで、次に偏差値を求めます。
勉強によく使われますが、偏差値とは「平均からどれくらい離れているか」を示す値です。そのどれくらいというのに標準偏差が使われています。
平均値を偏差値50とし、平均から標準偏差1つ分離れていると偏差値40または60,2つ分なら30または70という感じです。
今回のレートのデータでは平均1499.361,標準偏差113.6568なので、
偏差値=(レート-1499.361)/113.6568x10+50
という式で求めることができます。レートというところに自分のS15のレートを入れると自分の偏差値を求めることができるので、やってみてください。
レートと偏差値の関係
数学的な説明をしましたが、上の式でレートの偏差値を求めた結果は次の表のようになります。
レート | 偏差値 |
2162 | 108.2994 |
2100 | 102.8444 |
2000 | 94.04595 |
1900 | 85.24753 |
1800 | 76.44911 |
1700 | 67.65069 |
1600 | 58.85227 |
1500 | 50.05385 |
1400 | 41.25543 |
1300 | 32.45701 |
1200 | 23.65859 |
1100 | 14.86017 |
1000 | 6.061746 |
900 | -2.73667 |
800 | -11.5351 |
700 | -20.3335 |
673 | -22.7091 |
この表を見てレートが高い人は意外と自分の偏差値が高いことに驚くと思います。筆者はS15ではレート2000だったので偏差値94でした。少しドヤ顔したくなります(笑)
これを求めて偏差値が100を超えたり、マイナスになったのは少なくとも勉強の世界では見たことなかったので驚きました。
これを見てどう思ったのかは各自の判断に任せます。
平均レートが1500にならない理由
偏差値の話とは少し離れますが、平均を求めて値が1500にならなかったので、それについて考察してみようと思います。
レート対戦はレート1500から始まり、勝ったときに上がるレートと負けたときに下がるレートは同じなので、平均は1500になるばずです。
今回のレートの平均は1499.361であり、合計で言うと0.639x79,205=50,612であり、自分の入力ミスがあったとしてもレートの合計が5万もずれているとは考えられません。
その原因にはレートリセットが考えられます。3DSの本体を変えるとレートが1500にリセットされる仕組みです。
レートリセットする人は「新しく作ったパーティーでゼロから始めたい」「悪い結果をリセットしたい」という理由でリセットするのではないでしょうか。
筆者は3DSを1台しか持っていないのでリセットしたことがありませんが、リセットする人は対戦に真面目に取り組んでいる人が多く、レートも高い傾向にあると思います。
例えばレート1700の人がリセットしたとすると、その人のレートは1700から1500になり、プレイヤー全体のレートの合計が200少なくなります。
今回ではレートの合計が50,612も小さいということで、リセットした人のレートが全員1700だと仮定すると、約253回リセットしたということになります。
そう考えると意外と多くの人がレートリセットを使っていることがこの結果から考察できることだと思います。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました。
偏差値とレートの関係について書かれている記事はあまりないので、この記事でポケモンのレートの人口分布や偏差値について新たな知識が得ることができたらこちらとしても非常に嬉しいので、4時間くらい頑張ってexcelにデータを打った甲斐があったと思います。
これからもレート対戦頑張っていきたいです。
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